ある男の記憶。

ここに記してある事は架空の物であり、実在の人物及び団体とは 一切関係ありません。

Hさんについて。その2

  寒くなったり暖かくなったり忙しい。早稲田と明治は合宿頑張って。
  さてさて昨日は私が大学生になったところまで書かせて頂いた、続きを記すけどもそんなにない。
  Hはゴルフサークルに入っていた、塾生なら知っているピンクのチャラいアレである。あの渦中ではHといっても普通やや地味程度で楽しそうにやっていた。最初の1年はキャンパスも同じだったのでちょくちょく飲んだり遊んだりしていた、お互い恋人はいたけれどよく会っていた。相互の持っていた認識は全く異なり私が一方的好意を抱いていただけで向こうにとっては高校の同級で友人でしかなかったのだけれど。
  ここでちょっとした事件があった。夏の暑い日、2人でビアガーデンに行って大量にビールを飲んだ。私は普通だけれどHは強い方で潰れたりすることは滅多になかった、しかしお互い潰れて意識はない。起きると私はHのマンション、Hのベッドに寝ていた。Hはシャワーを上がってパンティを履いて肩にバスタオルを掛けて胸を覆っているだけだった。私は瞬時に理解しそして同時に自分に絶望したのだ、しかしHはイタズラっぽい笑顔のまま煙草を燻らせるばかりであった、私はずっとおっぱいを見ていた。その後2人で朝ごはんを作って食べて私は家に帰った、その日のことは未だに謎で話に出すことは恐らくもうない。恐らくほとんど確実にセックスをしたのだと思う、がしかしその記憶が無くて幸いだったのかもしれない、あれば永遠に囚われてしまいそうだから。
  それからも定期的に会っていたがキャンパスが移りHがインターンやら就活を迎え私の精神が不安定になったりと徐々に距離は離れて行った、それでも私はHに恋をしていた。そして昨年ある寒い季節4ヶ月ぶりくらいにHと渋谷のHUBへ行った、珍しく空いていた。そこで私達はまた深酒をし私は口を滑らせ余計な事を言った、本心を漏らしてしまった。高校生の頃から貴女にずっと恋をしていたこと、高校時代撮ったプリを今でも財布に入れてること、すべて話して泣いてしまった。その時Hは笑って「ずっと知ってた、私も君を好きだったんだ。でももう遅いよ」そしてキスをした。長いしょっぱいキス。
  私達は今も友達だし、これから死ぬまで友達だと思う。死ぬまで友達以上にはなれないのだ、もう遅かったのだから。
  私の決断はつねにもう遅い。